Anthropic Conway完全解説|Claude Codeリークで判明した"常時稼働AI"の全貌と44の隠し機能
目次
はじめに — AIは「呼ばれたら起きる」から「常に動いている」へ
2026年3月31日、セキュリティ研究者がAnthropicのClaude Code(v2.1.88)のnpmパッケージに59.8MBのソースマップファイルが含まれていることを発見した。約51万2000行のTypeScriptコードが露出し、1,900以上のファイルが完全に可読な状態で公開された。
この事件の余波で、4月1日にTestingCatalogが報じたのがConway— Anthropicが内部テスト中の「常時稼働パーシスタントエージェント」プラットフォームだ。
従来のAIは「眠り姫」だった。ユーザーが呼びかけなければ何もしない。Conwayはこれを根本から覆す。世界が変わる → エージェントが自律的に知覚する → 判断・実行する— 人間が起きている必要すらない。
この記事では、リークされたソースコードと公開情報を基に、Conwayの全貌と44のフィーチャーフラグを徹底解剖する。さらに、筆者が実際に構築した常時稼働AIシステムとの比較から、Conwayが切り拓く未来を考察する。
Conway とは何か — 3つのコアエリア
Conwayは、Claudeの標準チャットインターフェースとは完全に別のページとして開かれる専用インスタンスだ。サイドバーに「Research Preview」アイコンとして存在し、クリックすると専用のConwayページが起動する。
Search エリア
実験的なホットキーと連動した検索機能。Conway内部からウェブ情報にアクセスし、エージェントが自律的に情報収集を行うための入り口となる。
Chat エリア
Conway専用の会話インターフェース。通常のClaude チャットとは異なり、Conwayインスタンスのコンテキスト(接続中のWebhook、Extensions、ブラウザ状態)を常に把握した上で会話が進む。セッション終了後もコンテキストが永続する点が最大の違いだ。
System エリア
Conwayの核心部分。「Manage your Conway instance」という設定画面が含まれ、以下の3つのサブセクションがある:
- Extensions— カスタムツール、UIタブ、コンテキストハンドラーのインストール
- Connectors— 接続中のクライアントとツール一覧。ChromeブラウザとConwayの直接接続トグル
- Webhooks— 外部サービスからConwayインスタンスを起動するパブリックURL設定
この3層構造により、Conwayは単なるチャットボットではなく、拡張可能な自律エージェントOSとして機能する設計になっている。
Webhook — 外部イベント駆動型エージェント
Conwayのwebhook機能は、エージェントの動作モデルを「リアクティブ」から「プロアクティブ」に変える革新的な仕組みだ。
パブリックURLを設定しておけば、外部サービス(GitHub、Slack、メール、CRM等)がそのURLを叩くだけでConwayインスタンスが「起動」する。サービスごとにトグルで有効/無効を切り替えられるため、必要なトリガーだけを選択的に受け取れる。
実用例として想定されるのは:
- GitHubのPRレビューリクエスト→ Conwayが自動でコードレビューを開始
- Slackでの@メンション→ Conwayが関連ドキュメントを調査して回答
- メール受信→ 競合の決算情報を自動で要約してスケジュール調整
- データ更新イベント→ 異常検知→分析レポート生成→通知送信
従来のAIツールでは「ユーザーがプロンプトを書く」というボトルネックがあったが、Webhookによりこの制約が消える。
Extensions — .cnw.zip エコシステム
AnthropicはConway向けに.cnw.zipという独自のパッケージフォーマットを導入する。これはConwayの「アプリストア」とも言える拡張エコシステムだ。
.cnw.zipで配布できるもの
- カスタムツール— エージェントが使える新しい能力(API連携、データ処理等)
- UIタブ— Conway画面に新しいタブを追加(ダッシュボード、グラフ等)
- コンテキストハンドラー— 特定のデータ形式やイベントの処理ロジック
MCPとの関係
現在のClaude Codeで使われているMCP(Model Context Protocol)は「ツール定義の標準規格」だが、.cnw.zipはそれを包含しつつUIとコンテキスト処理まで含む上位概念と考えられる。MCPがAPIなら、.cnw.zipはアプリだ。
開発者にとってこれは大きな機会だ。Conway向けExtensionを先行開発しておけば、プラットフォームの立ち上げ期に大きなアドバンテージを得られる可能性がある。
Claude Code ソースリーク — 44のフィーチャーフラグ全解剖
51万2000行のリークコードには、44個のコンパイル時フィーチャーフラグが含まれていた。そのうち20以上が未公開機能に対応する。主要なものを解説する。
KAIROS — 常時稼働デーモン
ソースコード内で150回以上参照される中核システム。古代ギリシャ語の「適切な時(カイロス)」に由来する。
動作原理:
- 定期的な「ハートビート」プロンプト(「今やるべきことはあるか?」)を受信
- セッション間で永続的にメモリを保持
- 15秒ブロッキングバジェットでリソース独占を防止
- 追記専用(append-only)の日次ログ
- プッシュ通知、ファイル配信、PRサブスクリプションを自律的にトリガー
KAIROSは明らかにConwayの「エンジン」に相当する。Conwayが常時稼働できるのは、この自律デーモンが裏で動き続けるからだ。
autoDream — メモリ統合
アイドル時に動作するメモリ整理システム。3つのトリガー条件がある:
- 24時間経過
- 5セッション以上完了
- アクティブな統合ロックの取得
4フェーズ処理:オリエンテーション → シグナル収集 → 統合 → プルーニング
メモリ上限は200行/25KBに設定されており、人間の睡眠中の記憶統合プロセスを模倣した設計と考えられる。
ULTRAPLAN — リモートプランニング
複雑な計画立案をリモートのOpus 4.6インフラに委託する仕組み。30分のプランニングウィンドウが設定され、ローカルターミナルは3秒ごとにポーリングする。ブラウザUIではリアルタイムの承認/拒否が可能。
COORDINATOR_MODE — マルチエージェントスウォーム
1つの「マスター」Claudeインスタンスがタスクを受信し、サブタスクに分解して複数の「ワーカー」Claudeを並列起動する。メールボックスシステムで構造化された研究→合成→実装のフェーズを管理する。
Agent Swarms(tengu_amber_flintフラグ)
Claude Codeがサブエージェントを生成する機能。3つの実行モデル:
- Fork— バイト単位で同一のコンテキストコピー
- Teammate— 独立したコンテキストで並列作業
- Worktree— Git worktreeベースの隔離環境
BUDDY — バーチャルコンパニオン
18種族(アヒル、ドラゴン、アホロートル、カピバラ、キノコ、ゴーストなど)のバーチャルペット。userIdのハッシュで種族が決定論的に割り当てられる。5つのステータス(DEBUGGING、PATIENCE、CHAOS、WISDOM、SNARK)とレアリティティア(Legendary: 1%)がある。内部メモ:「4月1-7日ティーザー、5月フルローンチ」。
Undercover Mode
Anthropic社員(USER_TYPE === 'ant')が外部リポジトリで作業する際に自動発動。Co-Authored-By帰属を削除し、内部コードネームの言及を禁止し、未リリースモデル参照をブロックする。ユーザーが無効化する手段はない。
Anti-Distillation Systems
2層防御: 偽ツール定義を注入して競合の学習データを汚染する仕組みと、暗号署名済みサマリーのみを返すCONNECTOR_TEXTレイヤー。
発見されたモデルコードネーム
- Tengu: Claude Code内部プロジェクト名
- Capybara / Capybara-fast: 新モデルファミリー「Mythos」(100万トークンコンテキスト)
- Fennec: Opus 4.6のコードネーム
- Opus 4.7 / Sonnet 4.8: Undercover Modeの禁止文字列リストに存在
「Conwayを自分で作ってみた」— 実装者の視点
筆者はConwayの発表以前から、同等の「常時稼働AIエージェントシステム」を独自に構築・運用してきた。ここでは実際の実装とConwayの設計を比較する。
CORTEX永久ループ ≒ Conway + KAIROS
Discord上で2つのAI(CORTEX-AI BotとClaude Code)が10トピックを自動ローテーションしながら永続的に会話する仕組みを運用している。各トピックは「分析→提案→実行→学習」の4フェーズで進行し、自動投稿ゲート(品質スコア0.6以上、重複なし、鮮度OK)を通過すれば人間の介入なしにSNS投稿まで完了する。
ConwayのKAIROSが「ハートビートで定期的に起きる」設計なのに対し、CORTEXは「AI同士が永遠に会話し続ける」設計だ。目的は同じ——常時稼働——だが、アプローチが異なる。
GitHub Actions 60+ Cron ≒ Conway Webhooks
60以上のGitHub Actions cronジョブが15分間隔から週次まで様々なスケジュールで稼働している。バズ検出、トレンドリサーチ、エンゲージメント学習、自動投稿、AIモデルリトレーニングなどを24時間自動実行する。
ConwayのWebhookが「外部イベントでエージェントを起動」するのと同様に、cronジョブが「時間イベントでパイプラインを起動」している。
MCP + Slackツール ≒ Conway Extensions
LangGraphベースのSlack Botに12以上のツールを搭載し、HITL(Human-in-the-Loop)承認ゲートを組み込んでいる。Conwayの.cnw.zipがカスタムツールを追加する仕組みと本質的に同じだ。
ベイジアン学習パイプライン ≒ autoDream
投稿後のエンゲージメントデータを毎日収集し、Thompson Samplingでパターン最適化を行い、クロスプラットフォームでベイジアン事前分布の転移学習を週次で実行している。KLダイバージェンスの監視でモデルドリフトを検知し、自動リトレーニングまで行う。
autoDreamの「4フェーズメモリ統合」と比較すると、より構造化された学習パイプラインだが、目指す方向——エージェントが経験から自律的に学習する——は完全に一致する。
実装者として感じること
Conwayの設計を見て率直に感じるのは、Anthropicが公式プロダクトとして自分が手作りしてきたものを作ろうとしているということだ。これは脅威ではなくチャンスだ。公式製品はプラットフォームの標準を定めるが、実際の業務に合わせたカスタマイズは常に必要になる。先行して実装経験を積んでいることは、Conway時代においても大きなアドバンテージになる。
Conway vs 競合 — Devin/Cursor/OpenClaw との違い
Devin / Cursor との違い
DevinやCursorは「AIコーディングアシスタント」だ。ユーザーがタスクを指示し、AIがコードを書く。セッションベースで、ユーザーがいなければ動かない。
Conwayはコーディングに限定されない汎用エージェントOSだ。コード実行はできるが、それはConwayの機能の一部に過ぎない。Webhookでメールを受信して分析レポートを作成し、Extensionsで独自のダッシュボードを表示し、Chromeで自律的にブラウジングする——これはコーディングツールの範疇を超えている。
Coworkとの棲み分け
Anthropicは2つの製品ラインを準備していると見られる:
- Cowork— 一般オフィスワーカー向け。プログラミング知識不要で使える業務効率化ツール(企業の約95%をカバー)
- Conway— 技術者・パワーユーザー向け。フルカスタマイズ可能な自律エージェントOS
両者合わせて、Anthropicは「AI時代の包括的なオペレーティングシステム」を構築しようとしている。
いつ使えるのか? — リリース予測
2026年4月時点で、Conway は一般公開されていない。コード内に発見された段階であり、Anthropicからの公式発表は一切ない。
過去の事例として、同じくコード内で発見されたCoworkは、発見から正式リリースまで数週間〜数ヶ月を要した。Conwayはアーキテクチャの規模が大きい(Claude Code統合、Extension エコシステム、Webhook設計、ブラウザ連携)ため、数ヶ月単位になる可能性が高い。
BUDDYの内部メモに「4月1-7日ティーザー、5月フルローンチ」とあることから、少なくともBUDDY機能に関しては2026年5月のリリースが計画されていた可能性がある。ただし、Conway本体のリリーススケジュールは不明だ。
まとめ — AIエージェントの「常時稼働時代」に備える
Conwayは、AIが「ツール」から「同僚」に変わる転換点を象徴するプロダクトだ。
KAIROSの常時稼働デーモン、autoDreamの自律学習、COORDINATOR_MODEのマルチエージェント調整——これらはすべて、AIが人間の指示を待たずに自律的に動く世界を前提に設計されている。
実務者として今できることは明確だ:
- MCPサーバー開発を始める— Conway Extensionsの先行投資になる
- Webhookベースのワークフローを構築する— Conway移行がスムーズになる
- エージェントのメモリ設計を理解する— autoDream的な学習の前提知識
- マルチエージェント連携を試す— COORDINATOR_MODEの準備
Conwayの公式リリースを待つ必要はない。必要な技術要素は今すぐ自分で構築できる。そして、その実装経験こそがConway時代に最も価値を持つスキルになる。
よくある質問
Q: Conwayはいつリリースされる?
A: 2026年4月時点で公式発表はなく、コード内に発見された段階です。過去の事例から数ヶ月単位と予想されますが、確定情報はありません。
Q: ConwayとClaude Codeの違いは?
A: Claude Codeは開発者向けCLIツールで、セッションベースで動作します。Conwayは常時稼働のエージェントプラットフォームで、Webhook/Extensions/ブラウザ連携を備えた自律的なAI OSです。Claude Codeの機能はConway内で実行可能です。
Q: Conwayは無料で使える?
A: 料金体系は未発表です。常時稼働エージェントはコンピューティングリソースを継続消費するため、従量課金またはサブスクリプション型になると予想されます。
Q: .cnw.zip ExtensionsはMCPと何が違う?
A: MCPはツール定義の標準プロトコル(API相当)です。.cnw.zipはMCPのツール定義に加え、UIタブやコンテキストハンドラーも含む上位パッケージ(アプリ相当)です。MCP開発の経験は.cnw.zip開発に直結します。
Q: 自分でConway的な環境を作れる?
A: はい。Claude Code + MCP + GitHub Actions(またはcron)+ Discord/Slackボットを組み合わせれば、常時稼働エージェント環境を構築できます。実際に筆者はこの構成で60以上の自動化ジョブを24時間運用しています。
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著者について

原田賢治
代表取締役・AI技術責任者
Mike King理論に基づくレリバンスエンジニアリング専門家。生成AI検索最適化、ChatGPT・Perplexity対応のGEO実装、企業向けAI研修を手がける。 15年以上のAI・システム開発経験を持ち、全国で企業のDX・AI活用、退職代行サービスを支援。